バイオ茶の宮崎上水園

創業明治二十九年 バイオ茶の宮崎上水園

STORY 宮崎上水園のお茶づくり 「急がず、休まず、怠らず」

Vol.15

九州一周駅伝とGGNをサポート

九州一周駅伝とは、1000㎞余りを10日間かけて走破する世界最長の駅伝。1952年に初開催され、日本初のオリンピック選手の一人であり、マラソンの父と称される、金栗四三も審判団役員として参加していました。

旭化成陸上部の選手たちが多く出場していたことから、宮崎県チームに給水ドリンクとしてバイオ茶を提供するようになり、大変喜ばれました。その後、大手メーカーから提供の申し入れがありましたが、選手の皆さんの合意により、バイオ茶続行が決定。それを機に1997年から全チームに提供することになりました。バイオ茶のペットボトルを手がける、南日本酪農協同株式会社に協力をお願いしたところ、屋久島のミネラルウォーター「縄文水」を提供してくださることになりました。

給水所145カ所に9チーム分。用意する給水ドリンクは総計約2000本に上りました。上水園の給水スタッフは2人。毎朝4時に起床し、縄文水にバイオ茶を入れて約1時間置き、500mlのペットボトルに移し替え、各県ごとに振り分けます。約2時間で作業を終えたら、選手のスタートよりも先に出発し、5kmごとにある給水所に配って回ります。沿道にはたくさんの観客がいるため、通行規制もあって、思うように運ぶことができないことも。アクシデントもある中、10日間にわたってスタッフ2人でこの作業を続けました。

何より嬉しかったのはバイオ茶の給水以来、脱水症状による棄権者がないと高い評価をいただいたこと。2007年には感謝状をいただき、2013年の閉幕まで提供を続けました。毎年、選手の皆さんからいただくサインの寄せ書きは上水園の展示室に飾っています。

ゴールデンゲームズinのべおか(GGN)は、陸上界への感謝を込めて、1990年の第一回から協力しています。延岡市の旭化成レーヨングランド改修記念長距離記録会が始まりとなり、だんだんと人気が高まって、出場選手や観客が増えていきました。大会名物は看板叩き。選手が目の前を走るたび、看板を叩いて鳴り響かせ、盛大に応援します。宗茂氏と宗猛氏のマイクパフォーマンスも圧巻。叱咤激励が飛び、背中を押されて選手の自己記録が更新されていきます。宮崎上水園は、選手や関係者へお茶を提供し、また、全プログラムの1〜3位入賞者に副賞としてバイオ茶を贈っています。

夏のお茶の需要を増やしたい、子どものお茶離れをなんとかしたい……、そんな思いから開発した水出し茶が、まさかスポーツドリンクとして愛飲されるようになるとは。必要としてくださる方々と巡り合い、バイオ茶はいまに続いています。


第1回から協力する「ゴールデンゲームズinのべおか」
第1回から協力する「ゴールデンゲームズinのべおか」
九州一周駅伝の給水で選手へ手渡されるバイオ茶
九州一周駅伝の給水で選手へ手渡されるバイオ茶